つまり、「自分とは何か」と問うアイデンティティ概念は、その帰属が生まれながらの帰属であれ、自身の選択による帰属であれ、「自分」という存在に具体的な内実を与え、自身の政治的・文化的・社会的帰属意識を自覚させるものであるわけである。したがって、この「自分とは何か」という問いは、そのまま社会とは何か、この私は社会において何ができるのかという問いにつながる。
『複数の言語で生きて死ぬ』p.196
多和田葉子/ツーリスト Yoko Tawada, Touristen
Eigentlich darf man es niemandem sagen aber Europa gibt es nicht:
本当は言ってはいけないことだけれど ヨーロッパなんて ない
現代詩手帖、ドイツの最新詩人たち、飯吉光夫